2012-01-01から1年間の記事一覧

それでも家に帰る

生来的なそれに苦しめられてみるのは呪いのようなものかしら。 頭にふと鳴る金槌に気づけば、往来の音楽は下品で鼻につく。南米系の男に手を握られたまま聴き取れない英語で囁かれたそれは処女航海のいざないだったのか。委ねたらせめて優しくしてくれと自嘲…

しずかなき

カオサン通りの隣、ラムプトリ通りには酒場が並び、そのいくつかの店からはエレアコの調べが聴こえてくる。 オアシスとレッチリという高校生バンドのようなチョイスを多く耳にするが、ブルースをやってるような店もあったり、歩いてるだけで幸せな気分になっ…

ソー・ファー ソー・グッド

女の声に起こされた。 「大丈夫ですか?」 と言ってるのだと思う。拙い英語だ。 「オッケーオッケー」 そう返してサインを作る。 「韓国人ですか?」 「いや、日本人だよ」 そこで「キャー!」と腕にしがみつく。ルックスは可愛い。 「今日は私の誕生日なの…

沈んでみせるか

「タイに来てどれくらいになるんですか?」 「今日来たばかりです。右も左もわからないんですよ」 確かに海外へ来てまで日本人とつるむのはどうかというギモンはあるし、かつて自分もそうはなるまいと思っていたが、実際言語の通じないところにポンと放り込…

いい加減な人びと

目的のワットプラケーオには着いたが寺院を見る余裕はなく、近くにあるという『バックパッカーの聖地』カオサン通りを目指すことにした。屋台がひしめく、やかましくてごちゃごちゃした道を抜けて行く。途中10バーツで唐揚げを串に刺したようなものを買って…

おわい、タイへ行く

感慨もなく、タイへの到着は案外アッサリしていた。 空港から外へ出れば大きな道路ばかりで何も見えない。予定としては中心街まで歩いて行くつもりだったのに、これではまるきり検討がつかない。ということでタクシーに乗ることにした。乗り方はガイドブック…

心はどこだ

マイミクのお付き合いでアニソンのライブイベントに行ってきたのだ。 ――で、りょうきゅうハルヒとかけいおんの曲を聴いた。あとはあんま知らない。アニソンをオルタナバンドっぽく解釈してるバンドがいて、それがいい意味で浮いてて良かった。このバンドで踊…

徒然なるままに

あるいはフォーリンラブ。ヘビーローテーション。 まさか自分の名前を呼ばれすぎたらくたびれて、身につまされる想い相まり布団に倒れこんでしまう。かつては子供みたいに立派なことを言っておいても遠慮するのは新ルールのためだったらいいのにね。一晩以上…

地上のダメな人びと

遙か空に旅客機――を、電車から見上げた。 「タイのビザはございますか?」 家に帰ることになったのはそういうわけだ。 あまりにも情けない。恥ずかしい。昨晩あの子に送ったメールを「取り消せませんか」とauに電話してみたがそんなことができるはずもなく、…

スペース・カウボーイ

すべてはいいムード、それはブラウンカラー。彼が(不本意に)およそ2年半も続けたバイトをほっぽり出したのは冷蔵庫に女の子を連れ込んでキスを迫ったのが発覚したからとか、同僚の男子高生に告白したことで職場の空気を最悪に気まずくさせた、とか、俺はも…

エックスエックスエックス

ボク私は誰々が好きで誰を抱きたかったりどうのという話を何故か24時間のうちに何度も聞かされたり見せられたりで、どうしてそれがここまでウンザリさせるのか、もう心の底から辟易としている気持ちはどれだけストロベリー・チーズタルトを愛してるかってこ…

カフェ・コーラ

この牛は俺のために死んだのか?どばどばと血を落としながら泣いた。俺も気分が良かった。こっちに来てツイストしろよ。ウォルマートで砂糖を買えば、周りは万引き犯で溢れていた。陰惨な雨が全てを流してくれる。クズどもが下水の中で肥えていく。口の中で…

俺は最低

安酒を数杯あおり(その不味いこと!)、フラフラになった足で駅からバスに乗り込めば不意にこみ上げる吐き気の緊張感があり、ようやく着いた停留所にて財布を見れば1万円札しか入っておらず「なんとか両替できませんか?」と訊けば「もういいから今度払って…

黒い丘

友人とぷらりと寄った呑み屋で「ノッカンドーをストレート」と言えば 「マスターリザーブのものしかありませんがよろしいですか」 なんて返ってくる。そこの店は「そういう俗なとこじゃねえから品書きもねえ、まして値段なんざ」ってな佇まいであって、これ…

美しい

同棲している女子◯生にエーケービーを「いいかげんにして」と禁じられ、うかつに入ったアパートの空部屋に閉じ込められて何日経ったか(実はこの部屋も彼女が借りたらしい)。俺は『トレイン・スポッティング』のユアン・マクレガーのように叫び、壁を叩きな…

メイクス・ミー・ワンダー

エーケービーの(はぁ……)バラエティで、数分の超短期間ではあるが「アナタの彼女になります!」みたいな企画があって、彼は多田愛佳を友人たちに「彼女ができたんだ」と紹介したところ「えーっ!!!!!」――と、まぁそりゃそうなんだけど、「羨ましいよ」…

片脚立ちで

エーケービーのことばかり書いていて正直恐縮である。 AKB49~恋愛禁止条例~(8) (講談社コミックス)作者: 宮島礼吏,元麻布ファクトリー出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/17メディア: コミック クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見るこの漫画…

ラウンドアバウト

東京都足立区の友だちが『同窓会』と揶揄するように、アマチュアバンドのライブなんてホントに身内の発表会だよな。そりゃあ発散の意味だとかあの中に一人でも「カッコよかったです!」と言ってくれる人がいるんじゃないかという希望があって出演をしてみる…

不肖

カップヌードルのお湯を温めるためにキッチンへ行くと、そこには何故か数日前のシチューが片付けられないままカビてしまっていた。ひょっとして俺が家族を壊してしまったんじゃないかという気分になって本当にかなしくなった。ここのところ、0時頃に帰宅をし…

ベイビー・サシハラ

まぁでも田舎の日陰者だったオタク女子が、アイドルのオーディションを受けるために親にも誰にも告げずに上京して、そこで掴んだ自分の姿を猛烈に「好きです」って言ってくれるファンに手を出したことが果たして罪になるのかね……?俺にはわからんよ。そもそ…

愛の流刑地

>指原莉乃さんとのプライベートなことを、週刊誌に情報提供した「元カレ」の男は、人間として最低のクズだな。おい、お前が暴露したのは、指原さんとのことではない。お前の「品性下劣」さを、世間に対して暴露したんだ。https://twitter.com/kenichiromogi…

号泣できるか

デイヴ・ムステインにおけるメタリカだったり、北方謙三における中上健次だったり、コンプレックスを吐き出すその姿を美しいと思ったそれは単なる共感だったのではないか?休日、いつものようにパルコを歩き、×館3階にあるブティックの店員を見たときだった…

民衆にはパンとサーカスを

結局こんなのは誰がやったって同じじゃないか。これで世の中が良くなることはない。俺の一票、あんたの一票、そして朝のニュースにはどれほどの意味があるんだろうな。これは(くだらない)高校野球の勝敗と変わりはしないのに、あんたの口調はそれと比べて…

バカは騙される

人生は素晴らしいだろうに もっと背が高かったら こんなに年老いてなかったら 私のレインコートに寒さをよけてくれる襟が付いていたら……もらった手紙は持ち歩いたり、貼りつけておく。厳かな気分だ。これ以上望んでもいいものか。それでもどこを歩いても苛ま…

うなずくうなづく

「なんで働いてるんだろう……」という気持ちをこじらせたかどうか、トウトウ彼女と同棲する為の貯金なんてやめてしまおうかしらとその言い訳を考えていた。 「現実を見る事にしたよ」 なんて、ワケのわからない事を言う。 弟に「月末からバンド始めたいんやけ…