しずかなき

カオサン通りの隣、ラムプトリ通りには酒場が並び、そのいくつかの店からはエレアコの調べが聴こえてくる。
オアシスとレッチリという高校生バンドのようなチョイスを多く耳にするが、ブルースをやってるような店もあったり、歩いてるだけで幸せな気分になってくる。
二つの通りを繋ぐ細道にはライブバーのようなところがあり、店に入ればタイ人バンドによる演奏を耳にした。昨晩観たポップバンドはセンスのひどいものだったが、今日演っていたのはロック寄りのバンド。悪くはない。マイケル・ジャクソンのカバーも聴けた。通りすがりにはオアシスの「スタンド・バイ・ミー」が聞こえたこともある。

日本のように『騒音被害』という概念がないのか、どの店でも生演奏に限らず大きな音が流れている。それらはダンスミュージックやレゲエなど。酩酊の心地良さから歩けば自然に身体が動く。ここの一部になりたい衝動から、並べられた小さなアコギの値段を訊ねると「2,500バーツ」なんて値段を出されて悶々としてみたり。

けれどもそれらは「タイらしさ」というか、そういうエスニックなオリジナルが溢れているわけではない。やはりここは観光客のための場所であって、俺はじきに飽きてしまう前にどこかへ行かなければならない。