眠りなきジン 2日目

半袖になってラメラメを歩いたら裸みたいな気分だった。薄目立ちするそれを褒められるのが逆に恥ずかしくなる、そういうことが立て続けにあったりして、噂とかされると恥ずかしいし……みたく、過去は過去だが人生はスタンプラリーのようなものだ。オクトーバ…

上海、香港

ワインをこぼしてパソコンを壊してしまったのが半年以上前で、それ以来トリコミの関係でCDを買わなかったが、落札した畑亜貴のベストアルバムが届いたことで、どれほどぶりかに据え置きのCDプレイヤーにて再生したら、こんなにも音がいいものかと嬉しくなり…

サンゴの絶滅

他人の結婚などを眺めたのちは俺はなんてことを言うのだと思う。本心から言うことに返事が来るとは限らない。酔った勢いで連絡をよこしてくる友達も好きだ。それか、新しい女ができたんだ、と彼は言ったが、まあそれでもいい。 マクドナルドのデリバリーに登…

なべつかみブルース

たわむれにタバコを口にしたら、その後はグチャグチャにうがいをして、手をもみくちゃに洗う。引っ越してからはテレビのある店とない店を見極める。可憐なワンピース。ヒールの高い靴。キングクリムゾンのコンサートがあるけれど、出会える人にも出会えない…

James Bond won't use dating apps

してはいけないことが日に日に増えてリスト化される。読んだ本の感想を言わない。リーズナブルへ身体を捧げたときは、頭痛の前にロマンチズムについて考える。お前はただ簡単に金を得たいだけだろう。まさか『クローズド』とかけられている日暮里のインド料…

目玉の裏側

振り返ると飲まない日のほうが少ないことになっていた。それだけ人と会うことが多かったと考えれば悪くない。知らない人とやれたらなおいい。一日中ビールを飲んでいた日は、もう少しで人間らしくなれたかもしれない。久々に会えば驚くだろう。オレはあまり…

イタリアンシーフードのバラード

べログを見たり書いたりすることはしないようにする、けれどテレビが置いてあるのって店員が退屈するからだけだと思うけど、それで目くじら立てるほどでもなければミスった気持ちにはなる。しょうがない。タダで話したら、それが極端を言えばシスターではな…

お好きになさい

思うに、あんたはインターネットの自分がために人生を犠牲にしすぎているんじゃないの。どっかのタイミングで虹の向こう側に行ってしまった人と、それを眺める人たちもまとめてゲレゲレなるし、今履いてるスニーカーもいくらかくたびれてしまって、それで次…

中華街、その後

国際線の展望デッキで眺めた余韻が案外残っている。パイロットになったかもしれない女のこと、など。 もう一日置いておけば、という『たられば』に引きずられることもあれば、全ては妖精の粉のようなものであるし、ガチャガチャにした酒を飲んで、見るものも…

見えない相手こそラブい

なるべくゲレゲレなものを見ないという神経質なバランスがあって、久々の知人からのラインで送られてきた名前を調べてみれば余計なものを見せやがってと本気で腹を立てる。もし君が他人よりひとつでも優れてるものがあれば……例えば氷を削ったら飲むものも余…

66

おそらく眠気を堪えてようやく見終えた映画の感想、とりわけ、この身勝手な主人公と都合が良すぎる女をどう思うのか訊けば、男ってそもそもこういうもんでしょ、と言う。 ケモノフレンズであるにも関わらずケモノしないということが何日か続き、単なるゴッコ…

ともさかりえの夢を見た

大抵の予定は不在であって、宅急便の受け取りなんかで居なきゃいけない日は不本意である。そういう週を迎えてしまったら、夜を探して、踊ることもなく、視線も会わずに飲むとしたら、やっぱりそういう場所が向いてないのかと思う。 社交界としての散髪がひと…

シュールダンス

相手がいようがいまいがと思ってはいる。だが君にそんな勇気はないだろうとうそぶいてみたら、いざ実際にそれでぶつけられてもハートはいろいろあるようで、せいぜい6割くらいにしてくれ、とは言ってはみるのにあちらとこちらで週末の予定を訊かれるので仕事…

普通にしゃべってくれ

俺のことはほっといてくれ、と思うことは結構あって、例えば電車の中吊りとか、『あなたへのおすすめ』のタレントの写真、ユーチューブの右側、有線放送、楽しい音楽、気の利いたユーモア。とか。 飲食店に行ったらテレビが置いてあることもある。先日新幹線…

ルート19

激動の年だったねと美容師に言われたのが1ヶ月半ほど前だったか、例えば窒息しかけたじゃん、など、言われてから、ああ、確かに、まあ、まあ、まあ、と、自分自身のことはさしてそんな感じで、ここに人が絡むと大小も悲喜こもごも思い出すこともある。連絡を…

デートらしいデートのブルース

雑な愛情(ぽいもの)を振る舞い続けるうち、何が何だかわからなくなるよとかつて言われたそれを「かも」と思いつつ、カップとソーサーを買って包んでもらう、こういうのがトリガーになるんだろうかと考える。表題のそれを、20年ぶりかも、と、20歳下の子と…

名前も知らない

食べに行って後悔したものを覚えているし、結果的にそうだったものもある。食後に素性を訊ねた答えに今更苦笑してみると、翌日も仕事に行かなきゃならないとは信じがたかった。他人に寄せない、まして性別がつけば直前になってナシと言い出すのもよくある話…

まぼろしの人間

本来はキーボードでもってササっと書き上げてしまいたいが、アイフォーンにて小賢しく指を動かしている。パソコンは以前ワインをこぼして壊してしまった。その断末魔のようなファンの叫びをよく覚えている。友人と酒場を5軒ハシゴして帰る。あの叫びほどでは…

二度と辿り着けぬ場所

騒いでいた頃を思い出すときには楽しかった、があって、それを珍しく後悔することもないけれど、いつかあなたの知らないところでこういうことがあった。実は。と聞かされたとき、ひどく恥ずかしい気持ちになったのが今でもある。女以外が幼稚だったなら、い…

南風月のエッセイ その4

先日、口内のガーゼを交換する処置では本当に看護師の手を握らせてもらったぞ。言ってみるもんだ。ビニール手袋越しだったがな。 「次回は恋人繋ぎでお願いします」 しかし相変わらず処置は痛かった。思ったよりも症状は悪かったようで、退院予定日は想定し…

南風月のエッセイ その3

久方ぶりの入院生活が始まった。 悪くないな。足が不自由だった前回に比べればずっと快適だ。綺麗なコンビニだってあるし、あまつさえスターバックスコーヒーだってある。食事だって美味い。しっかりとしたチャーシューの載った冷やし中華なんて、そんなもの…

南風月のエッセイ その2

大学病院は盛況と言っていいものか、待合の椅子に収まらないほどの人数が溢れていた。 まあ大抵の場合、病院ではしばらく待つことになるのはわかっている。職場へ連絡を取るなどして待っていると、1時間ほどで名前が呼ばれて通された。「入院です」 やはり、…

南風月のエッセイ

「ひどい咽頭浮腫です」 そう診断されたのは月曜の朝だった。 身に覚えがないのだが、前日の夕方に突然喉の違和感が出て、夜には唾を飲み込むのも痛みが伴うようになり、それでほとんど眠ることができなかった。 すがる思いで行った病院で薬を処方され、それ…

血液

夜が明けていた。 かつてネイヴィー・シールズが「人が働き始める時間に俺たちは帰る。最高の仕事だ」と言っていたが、この瞬間はそうだな。 夜中に働く人間がどこかおかしくなっている様を何度か見てきて、少しばかりの同調を覚えるのは、薄目でグループラ…

ハイデラバラード

40日ぶりくらいの休みだというのにちっともワクワクしないな。多分君は自分がどんな気持ちなのかをハッキリさせたいんだろう。日に々々、生きていくのに必要な物が増えていく。おれはこれが東京で暮らすことだと思ってる。

明朗快活

一生モノという言葉を考えたとき、結局は死んじゃうのにそんなものはどこまで意味があるんだと思うと、自分は何のために生きてるんだという気がしてくるな。 恋や陰口に飽きたガールは保険の話で持ちきりで、現状自分はそんな価値もなくてまいっちゃう。

大脳の成長が止まった××歳以上の女の子と付き合いなさいと言われた話

休みを潰して働き続けてひと月そこら、睡眠時間も増えてきた。ピース。遊びに行く日ももったいないなと思うほどの煩悩っぷりは胸に果てしないな。それでも明けがないぶん常にメンタル元気いっぱいだぜ。A君はケンカで家業をクビになったり、B君はしょうもな…

メシ食うな

ハッキリ言うけどあんたらはどんどん幼稚で下品になっていくよな。十代の女の子に心を傷つけられて泣いたりしてるみたいな、どうかしてるよ。 しばらくsnsを無視して暮らしていたら、脳みそが半分インターネットでできてるような女も受け入れられなくなって…

思うときにいつも思うことがある。そんなことを知る由もない頃は本当にバカみたいだな。ああなんてこった、この頃の時間はずっと止まっていたようで……まあ本当にバカみたいだよな。無職で借金がン十万あっても、何を言おうが立派に生きてる。ところがこいつ…

読まずに捨てた手紙

これ以上走り続けるには酒の力が必要なのに、あったりまえにそんなことは許されない。日曜夜のこの駅前は難民なんか受け入れない。そもそも本当に救われることなんてないのにな。挙句コンビニの店員に話しかけたりする。それともインスタグラムの美女にコメ…