二度と辿り着けぬ場所

騒いでいた頃を思い出すときには楽しかった、があって、それを珍しく後悔することもないけれど、いつかあなたの知らないところでこういうことがあった。実は。と聞かされたとき、ひどく恥ずかしい気持ちになったのが今でもある。女以外が幼稚だったなら、いったい何をすればよかったのか?

誰にも会わずにベタベタしていると(それも、すごく雑に)、翌日は会うのも疎ましくなる。他人の生活を見るのが疲れるときは、車を買おうと思う。襟のついた服、革のかばん、新しい機械。涼しくなれば夏が終わった気分になる。前回はどこで我に帰ったか、いつも忘れてしまう。