ルート19

激動の年だったねと美容師に言われたのが1ヶ月半ほど前だったか、例えば窒息しかけたじゃん、など、言われてから、ああ、確かに、まあ、まあ、まあ、と、自分自身のことはさしてそんな感じで、ここに人が絡むと大小も悲喜こもごも思い出すこともある。連絡を取らなくなった人、カジュアルに約束をしてそれきりの人、多分結婚した人、アドレスだけ交換した人、渡しただけの人、約束を忘れたふりをした人、怒った人、思い出しもしない人、どこかへ出かけた人、何かを食べた人、などなど。

帰ってみると、通ったあの店が閉店、焼失、閉店、閉店、バイトをしたあの店も、など、数年のうちにずいぶん寂しいことになっていて、もう残ってるのはこのパルコくらいだと言ってはみるが、中身はほとんど入れ替わってしまっている。置き去りにされた気分を味わうが、実際のところはぼくが置いていったんだろう。
それにしても女っ気のない数日で、それじゃあどこに行って何をするのが正解なのかわからなくなっちゃう。