アドリアナ・カセロッティのバラード

ぼくは時々、他の人にどうして気を紛らわせているのかを訊ねたくなる。でもきっとそれを聞いても参考にはしない。人それぞれストレスがあるんだなということを確認したいだけだ。
この期に及んで自分の特徴のことで批判されることがあって狼狽したが、実際のところ、各々が自分の身長を記しているのはそれを考慮しろという願望のあらわれに違いない。
「私はこんな最低な人間だからあなたとは合いません」
もしも一次選考を通過したら、次は何を求められただろうか。家賃はいくら?ありがたいことに、まだまだ傷つく余地はあると気づく。
些細な厄介が重なる。適度に仕事を片付けたら早退しようかと思ったが、いざ帰宅したらどうしたいかは浮かばなかった。ぼくは時々、他の人にどうして気を紛らわせているのかを訊ねたくなる。もしくは今夜何を食べるべきか、でもいい。