早く帰ればよかった

ジェフベック療法が功を奏し、やや持ち直した。 新しく買った整髪料は使い勝手が良く、毎日ひとつは新しいことに挑戦したいという気持ちになる。

足音は立てるが下品にならないように気をつける。女は体調を崩しやすい。本来であれば自分などこれっぽちも気にかけてもらえないような存在を、自分の人生を犠牲にしてまで持て囃し、よくも自分は誰からも愛されない人間だと卑屈にならないのかが不思議である。

今日はそういう気分だったと言えば、きっと怒るだろう。まったくもって、バイオリズムのようなものだ、困ったよと言うと「男のくせに」と返ってくる。

 

あなたへの投資を持ちかけられて、困った顔をしてみせたことを思い出す。

経理を雇ってみた結果、自分は『カド』の上に立っているようだったことがわかり、よくぞこれまで無事だったね、などと言われた。

なんとも、まあ、といったところは、ほぼ365日働いているのにほとんどプラスが出ていないところで、趣味らしいシュミにもほとんど費やしていないのにこのザマなのは、それにつけても単純に時間を切り売りして稼いでいるに過ぎないうえに度し難い。

下から数えた方が早いのに、それでも怖いのかと、手をつけていない『投資』が金庫から語りかけてくる。