気兼ねなく横になったあと

柄のある服を着なくなってしばらく経つうち、レコード屋に20分滞在するのも苦痛になっていた。背景の女のジャパニーズポエトリーリーディングもなおさらで、駅前の飲食店にいる気分にも似ている。
未踏の近所へ出れば手抜きの一杯で1,200円も取るのが強気であったが、バーテンダーの青年がヘヴィメタルで「僕、ほとんど毎日居ますよ」などと言うし、もう二度と行かないかといえばそうでもないが、やっぱり日曜夜の行き場がどこにもない。同じ魂を抱えてる女が見つかればいいのにと思う。

タトゥーを入れる側の人間とそうでない人がいて、フリーター同士の惚れた腫れたは好きにすればいいけど、実際は君ならもっといい男と付き合えたハズだ。眼鏡屋のレディーを前に固まってしまった場合、追いかけるのと追いかけられるのはどちらが『タトゥー的』か?
グチャグチャに酔っ払い、遠方と自分を較べて詰めて泣き出した。本気で相手にしなかったら翌日病気にかかったらしく、やや罪悪感を覚えたのでキャッシュの計算をする。

土日が終われば大抵の人はドライになる。「結婚するの?」と訊かれて答える。もぬけのから。男は哲学に目覚めるたびに狂っていく。