平地

思い出せば「やるぞっ」というキッカケすらなく、本当に気づいたら始まっていた一人暮らしが4ヶ月ほど経つのに、ベッドや布団すら無かった倉庫のような部屋(寝袋を使っている)にようやくテーブルがやってきて、それまで段ボールを代わりに使っていたくらしはイヨイヨ文化を少しだけ取り戻した。

その何も無い部屋にも関わらず、ガラスを割られて泥棒に入られ(本当)、友だちに借りたプレミアムなDVD数枚とお気に入りの花柄リュック、忘れていたPSPを持っていかれてしまった。それから数日続きで日雇いの仕事が見つからなかったり、細かい失敗が重なって、泥棒に入られたことすら自分のせいではないかという卑屈に襲われた。俺はそういう不良なので、アイドルに跪いてやめたタバコを深夜のコンビニで買って火をつけた。ひどい気分だ。フレームを買い、そのアイドルのポスターを入れて祀り、毎朝起きてはキスをして出かける。そういうジョークを笑ってもらって、なんらかの毎日を過ごしている。あんまりよくはない。