コンフォート・ホテル

俺が空を飛びたいと言うと、ユーレイの友だちがやってきて、言われるがまま俺は水の中へと身体を浸し、水と一体化する意識がどうの、それは恐怖ではないんだとまぶたを強く閉じ、プクプクと底へと沈んでいって、気づけば俺は溺死していた。
足で歩く煩わしさや電車に乗る憂鬱からの解放感、ユーレイになった俺は本当にひらり空を舞って、ひとしきりのハッピーを味わったあと「ああ俺は死んだんだ」と思い返して、母親がかなしむ姿の想像だったり「もうアイドルの握手会に参加できないんだ」と思ったりして、軽い気持ちで自殺したことを目を覚ますまで後悔する。そういう夢を見た。生きてて本当によかった。