ガソリンのプール

あんたはきっとそんなもの必要ないって言ってくれる。けれども、それが求められる世界も存在するんだよ。そしてその人たちに苛まれながら生きていく、あの田舎でも、この都会でもダメなら、タイへ行っても堕落の道しかない。あの時始めた深呼吸に罪悪感を覚えだしたら、同時に思い出すことがある。電話番号の書かれたメモ用紙、実家に置いてきた手紙。俺はあんたを忘れたことなんかない。けれども本当は間違っていたのかもとプラットフォームを眺めれば、それを代弁できる気持ちはいくらでも湧いてくる。

あんなところ、今すぐにでも燃やしてやりたい。そしてお前らのほんの些細な明日を奪う。新しい靴と深夜バスのチケットを買って向かうとき、ラブホテルで死体を刻んでいた際にかかってきた神奈川県警からの電話を思い出し、サラダ油とコーラの瓶とライターをコンビニのゴミ箱に捨ててしまうだろう。気が晴れるわけでもなく。