シープ・オブ・ラム

これは誰のストーリーなのか時々わからなくなる。別に何にも興味がないんだって顔で通り過ぎた、傍らにいるティアラを着けた少女に目をやる矛盾は俺を苛むことはない。ガラムによってシーシャの香りを思い出せば、あれもこれも誰かを裏切るつもりのことではなかったハズだと思う。

あんたの世界のことを教えてくれ。
いっそ何喰わぬ顔で「ああ私がタイに行ったのは高飛びのつもりです」と言って現れてやろうか。誰が悪いのかは誰も知らない。それでも田舎は退屈している。counter proposal: 俺は東京で首吊り自殺をしたというのはどうだ。くだらない皮肉がもとで刺殺された、あるいは女にベルトで絞殺されて、その死体は持て余したやつらにバラバラにされて霊園近くのゴミ捨て場に遺棄された、なんてピッタリだろう。そうして弾む会話はカラスにどこをついばまれたのか、何分割されたのか、俺だったらどこどこに隠すよなんてアイデアで一カ月は退屈しないぜ。