誰も知らない

気がつけばそこは東京で「ダメだ、帰らなきゃ……でも航空券代が……」と目覚めると、そこにはベッドがある。そうしてここはタイだと撫で下ろす。
(ほぼ)日本人宿に身を落としてるのは自分の選択なんだけど、そこでもハッキリとしたグループができつつある中に自分がポツンと隅にいれば「やはり俺だなぁ」と思うこれが自分探しなのか。

パンガン島へのチケットを購入するため、日本人がやっているという旅行代理店へ行くと『旅人の本』といった感じの本が置いてあり、めくれば「旅で得る仲間は奇跡!」とかそういったことが書いてあって、それを見ながら「やっぱ俺はどうしようもなくダメだ」と、最近覚える違和感の正体がそれであるのかどうなのか、旅に出てもエスニックな服ましてタンクトップなんか絶対着ねえよってそれは反抗なんだけど、結局外に出ても似たようなもんだなぁ……という自分を振り返れば来月頭に島で行われるパーティーだってきっとひとりきりで隅にいる。