オヴォワー、アデュー、グッナイ

今年のレコード・オブ・(マイ)イヤーは間違いなく『TADZIO』だと決めつけていたら、年の瀬ギリギリになってすべり込んだ大阪は堀江のアイドルに取って代わられた。夢中のあまり現地まで行き二日続けてイベントに参加したが、実際は行きの高速バスで風邪をもらってしまったり、自己主張の強いオタクの人たちにめんどくさくなったり、と、本当はもう昨日までネガティブなことを書くつもりはなかったのに、ここへ来るといつも気が滅入ってしまうし、楽しくないふりをしなければならない。

疲れてしまった。
気がつけば婚約していた人たち、交際のステイタスが変わった人たち、きっと知らないうちに結婚してしまう人たち、終わってしまった人たち、恋人を公表できない人たち、全てが平穏であればいい。そして幸せになってほしい。三文古書屋で手にした桐野夏生は俺を沈ませてくれそうで、そいつは棚に戻すことにした。

頭痛は痛みからやってきて、苦しみは忘れた頃にやってくる。いずれにしても、頭痛は消えたと思っていた。