どこに、どこで、どこ?

「おう、やろうぜ!」
と言って半分思いつきで友達に頭をモヒカンに刈ってもらったはいいが、日本に帰ったら仕事を探さなければならないので短い命になりそうである。バリカンは路上で知らない人から借りた。
「いくらですか?」
「タダでいいよ!」

この頭で歩いていると視線を受けまくる。それが気持ち良くもあるが少し面倒でもある。親指を立ててくれたりと野郎受けはすごくいいが、女性からは「ぎょっ」という視線をもらうだけでだいたい何もない。立ち寄ってみる売春カフェーでは「あら」なんて格好の的にはなるが、こんな頭で縋りつく心地ってなんだかマヌケだよな。隅に立った白い服の女の子とは何もなかったし、きっと彼女も俺が好きではない。それが髪型によるものかはわからないけれど。